ツナグ

2010年12月19日 小説
辻村深月
単行本
新潮社
発売:2010/10
1,575円










死者と生者を一生に1度、1晩だけ合わせることが出来る能力を持つ、ツナグという、
能力者を中心とした連作短編集です。

ある人は、あこがれのアイドルに。
またある人は、自分の母親に。
別の人は、事故で亡くなったはずの親友に。
また別の人は、生死が分からない婚約者に。

おおむね、辻村節ともいうべきいい話。
嫌な人物も出てくるけれど、それは完全なる脇役の人たちだけです。
主人公や依頼者たちは、それぞれいろんな思いを抱えているけれど、
悩んだり葛藤したり、ぶっきらぼうなだけだったり、自分の意思をうまく伝えなかったりで。

アイドルと母親と婚約者に関しては、寂しくて悲しい部分もあるけどいい話です。
ただ親友に関しては、諌めが入ってる。
大切なことはきちんと伝えないと、絶対に後悔するし、二度と戻ってこない。
一生引きずることにだってなるんだって、つくづく感じました。

最後の1話は、ツナグ自身の話。
ツナグになったわけ、両親の秘密など。
両親のことに関しては、半分くらいは予想がついていたけど、最後までは分からなかった。
なるほどなあ~、やっぱり辻村さんだなあと思いました。

他作品との繋がりに関しては、ん?と思うところもあったけど、大筋関係ないと思います。

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