三浦しをん
単行本
筑摩書房
発売:2009/07/11
1,575円









とある会社の社史編纂室勤務の社員である幸代は、
ふとしたことから自分がいわゆる二次創作好きで、そういうものたちを作っていることを
同僚達に知られてしまう。
そこから、社史編纂室でも出そうなどという話が持ち上がり、いやいやながら
社史の製作と合わせて、会社の裏の歴史?を暴こうとするけど・・・。

しをんさん、めっちゃ楽しんで書いたんだろうなあということが感じられる1冊。
明るいし、みっこちゃん、矢田、課長とのやりとりが楽しい。
そしてサークル仲間の2人とのやりとりは、きっとリアルなんだろうなと思える内容。
20代後半の女性としての悩みのようなものも、明るいながら書かれている。
と、同時に、噂に聞く膨大な集まりについて未経験の私には、
へー、ほー、こんな感じなのかーと、なんだかフリマみたいだなと思った。

そしてところどころ、小説の中で作られた小説が出てくるわけですが、
ここは、ロマンス小説の七日間をちょっと思い出してしまうような感じでもあります。
どーんと、重厚さとか爽快さみたいなのは、少ないかもしれないけれど、
しをんさんのことが好きで、しをんさんの趣味を理解されてるなら、
2次創作とか得意じゃなくても、まあ何とかなるかなと思う。

ちなみに私は、幸代の小説よりも課長の小説の方が好きだ!
そして社史編纂室って、閑職らしいけど、私はこういう仕事って魅力的に感じるし、
最後に移動先とされた場所も、私ならすごく行きたいです。
もちろん暇そうとか楽そうとかそういう意味ではなくね。

結末はちょっと自己満足的?なのかもなあと思うけれど、
これ以上のことは、やっぱり難しいのかね。
世間に出てしまったとしても、分かる人の方が少ないのでは?と思う部分はありますが、
仕方ないのかな・・・。

コメント

香園
香園
2009年11月23日23:14

お久しぶりです。レビューを読んで、明日買ってこようかなと思ってしまいました。昨日あさのあつこさんの夜叉桜を読んだのですが、解説が三浦しをんさんで、三浦さんが気になっていたところでした。

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