村山由佳
文庫
文芸春秋
発売:2006/01/10
620円









直木賞受賞作、というのは当時から知っていたのですが、
今頃になって読むことになってしまいました。
結構重い内容です、予想はしていたけれど。
戦争とか、報われない恋とか、家族の中のしがらみとか。

家族って一緒に住んでいて、血も繋がっていて、分かり合えるのが当然、
みたいなところがあるんだけれど、全部がそうじゃない。
同じことを考えている、同じ方向を向いているつもりでも、
実は全然違っていたり。
でも違う方向を見ていることが、実はやさしさからくるものでもあったりするんだな、
全体を通して、そんなことを思える1冊だったと思います。

でも個人に共感できそうな人は、あまりいないかも。
あえていうなら、孫の聡美かなー。
あとは、、戦争もどうしても自分が体験したことではないし、
報われない恋も、どうにも想像できない。
そんな家族を見てきた他の人の気持ちも分からない。
ということは、かなり私は平和でいい家族と言うことになるのかもしれないけれど、
まあいろいろ大変なことはあるような気もするし、
それはその家族それぞれと言うことに、結局なってしまうんだろうな。

たまに全体的にもやもやしてしまって、だめかなと思うことも出てきたことがある
村山さんだけれども、この本はやっぱりよかったって思います。
直木賞にも納得です。

コメント

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索