乃南アサ
単行本
新潮社
発売:2007/08
1,575円









久しぶりに乃南さんの本です。
前から少し気になってて、やっとめぐりあって読みました。
もうちょっとミステリー路線なのかと思ったけれど、そうでもなかったです。

元犯罪者である友人同士の芭子と綾香。
罪を償った後も互いを励ましあい、支えあって、過去を知られないように
小さくなって生きている2人。

やっぱり、というか、東野圭吾の「手紙」を読んだときとちょっと感覚が似ていて、
もちろん罪を償った後だし、芭子は理由がちょっとだけど、命を奪ったわけではない、
綾香もそれなりの理由のある大罪ではある、、けど、完全には同情できないような、
やっぱり大変なんだなあ・・・というような。
なかなか犯罪者側って描かれることがないから、読むたびに考えされられるんだけど、
読んでみて、犯罪を犯す、捕まるようなことをするというのは、とんでもなく周りに
迷惑をかけることで、大切にしてたものを壊してしまい、後戻りってできないんだということを
実感させられるものなんだと思うわけです。

でも2人とも、元は普通の人なので、やり直したい、真面目に生きようとして
反対に騙されてしまったり、ひどい扱いを受けてしまったり。
普通に生きていくことも大変な時代だと思うけれど、それ以上のものを背負ってしまった2人。
でも、なかなか気がつけないところにやさしさってあるんよね。
まだ先が続いていくのかもしれないけれど、ちゃんと立ち直ったところを読んでみたいです。

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