島本理生
単行本
新潮社
発売:2007/03
1,365円









3編の短編集です。
どれも過去にトラウマを抱えた女性が主人公です。
多分好みの問題なんだろうけど、1番目よりも2番目、2番目よりも3番目のお話が好きです。

1番目の話は、互いに実家に対して何かを抱えてそうな恋人同士が一緒に暮らしてて、
結構重たいかなーという印象、現状がつらいのがありありと出てて。

2番目のは、怖さで行くと1番かも。
苦手=嫌いってことじゃないんだよね、むしろ好きって場合も。
かわいさ余って憎さなんたら・・・怖いです。
口は災いの元。

3番目は、過去の恋人のことでトラウマがあって、今目の前の人を信じていいのか、
すごく迷ってるけど、実は彼の方にも彼女のことが好きなのにはきちんと理由があって。
過去のことは嫌な思い出なんだろうけど、現在についてはすごくもどかしさもあるけど、
とってもよかったです。

正直あまり島本さんの本は、幸せ感を感じることの出来るものが少ないと思うのです。
つらい恋だったり、何かを抱えていたり、実はどっちかが別の方向を向いていたり。
なので、自分がしんどいときには読めないなって思ってる人です。
3番目は、全面的ではないけれど、幸せな気持ちになれるものだったから、
読み終わってからもひたってしまうものでした。
幸せじゃないものでも、いろいろ考えさせられるという意味で浸ってしまうものもあるけどね。
読み終わっても、なかなか忘れられない内容を書いているということは、
やっぱりすごいことなんだろうなと、こういうときにふと思う。

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