ISBN:978-4093862066
単行本
西 加奈子
小学館
2008/2/28
1,365





「こうふくあかの」とほぼ同時期に出版された「こうふくみどりの」。
少しばかり印象的なタイトルと、そのタイトルにあわせた配色の装丁。
あかの、と、みどりの。
まだあかの、は途中までしか読んでいないから、そちらは置いといて、
こちらは、1990年代初めを生きる人たちの物語。
その中でも14歳の緑、そしてその女ばかりの家族達。
近所の人たち、そして緑の初恋は。

大阪の下町を舞台として、ゆるゆるとした時間の流れと
ときおり挟み込まれるある女性の一人語りとの関係とは。
(実のところもう2人の語りも入ってるんだけど)
最後まで読めば、それぞれが背負っているものの大きさとか、
それを許そうとするお互いの気持ちとか、
ここで繋がっていたんやね、と、そっと包み込みたくなる。

あとがきで書かれていたけれど、あかのとみどりのは、
直接的な結びつきはないんだそうです。
でも、どこかで繋がってる、それは現実だってそう。
ただ気がつかないでいることが多いだけ。
この本を読んでいると、もしかしたらって思うことが増えそうです。

コメント

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索