ISBN:978-4840120920
単行本
山白 朝子
メディアファクトリー
2007/11/14
1,554





初めての人の本、であるのに初めてという感じがあまりしない本。
なぜなら、乙一さんの文体に似ているらしい!という噂を聞き、
それは読んでみなくてはと思って、手にとってみたから。
実際読んでみて、確かに、これは・・・!と思わずにいられない。
他人の空になのかもしれないけれど、乙一ファンなら
読んでみて気に入らないということはないでしょう。
でも、別人なのかもしれないし、覆面作家さんのようなので、
謎・・・今後出版されるのかどうかもわかりません。

それにしても装丁がきれい。
祖父江さんらしいですから、さすが。
タイトルととてもあってると思います。

内容はどれもこれも、せつな系で、でもハッピーエンドとは
ちょっと言えないかな・・・はてしなさに途方にくれてしまいそうな
そんな短編ばかりです。
特にらしさを感じるかというと、表題作かな。
「失はれる物語」に雰囲気が似てるな〜。
細かい表現の回収も、あとでなるほどね〜と納得させられるものばかり。
あえて言うなら、雰囲気の違うものも盛り込んでくれたら、
もっといろいろ楽しめたのかもな、です。
現代ではなく昔々・・・の時代を扱ったものが割りとあったのは、
新鮮に感じました。
あと、多少グロ表現が淡々と入っているところも、
乙一さんを思い浮かべてしまう一因ですね。
年齢も性別も違う山白さん、今後の活躍は見られるのかなあ・・・。
この本の内容のように、はてしなく遠くに感じてしまう。

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