ISBN:4344013417
単行本
豊島 ミホ
幻冬舎
2007/06
¥1,470





なんとも濃い内容でした。
短編集、すべて人形愛に纏わるお話。
人形を愛するというよりは、執着する、人形を通して手に入れたい何かを。
それがなんなのかは、それぞれによって違うわけですが、
憧れの人であったり、昔の恋人、亡くなってしまった人、
泣く人形、自分とそっくりな人形、運命の人形に出会った人、
執着と愛は紙一重なのかなぁ・・・。
どこからがありで、なしなのかは、人によって違うもので、
私には決められるものではないけれど。

好きなものは?と聞かれたら、それなりにあるんだけれど、
ここまでの執着心を出せるものというのは、なかなか私にはないので、
はぁ〜・・・ていうか、理解するのは難しいので、
別世界の出来事をへぇ、なるほどねぇ〜っていう感じで、
読ませていただきました、というような気分。
そりゃ一応私も小さい頃は、大事にしていて手元に置かないことが
普通になるなんて考えもしなかった人形やぬいぐるみたちはいたし、
今でも思い出せばあの子たちは、とっても大事なんだけど、
いつのまにかほとんどが、どこに行ってしまったのか分からなくなってます。
少し後ろめたい気分になるくらい。

こういう気持ちはきっと、世の中の女性達には多くあるものだと思うけれど、
でもこういうのとは、この本は違うんだな。
濃い世界を体験したい人は、ぜひ。
共感できるものが多かった豊島さんの本だけれど、
その感覚とは違うところでの面白さを感じた1冊でした。

コメント

nophoto
桧あすなろ
2007年9月1日12:00

こんにちは!しゃむさん。
毎日暑いですね。

豊島ミホの世界を私に教えてくれたのはしゃむさんなのですが、このお話、私的には今のところの豊島ミホ最高傑作ではないかと思います。この濃さ、変さが豊島さんの特徴ではないかと勝手に思っているので・・・(^ ^;)

ところで今日は辻村深月さんの『冷たい校舎の時は止まる』をやっとこさ読めたのでそのご報告に参ったのでした!

しゃむさんのところで絶賛されていたので気になっていたのだけれど分厚いし、ノベルス3冊なのでひるんでいたんですよね・・・(^ ^;)
面白かったです。というか切なかった。
文庫になったので思い切って読んでみました。
特に下巻はイッキ読み状態でした、あーあれ絵面とか想像するとめっちゃ怖いですよね〜!

まさか主人公と著者が同じ名前とは思っていなかったのでそういう意味でもびっくりでした。

教えてくださってどうもありがとうございます。
しゃむさんの日記を見るといつも読書の趣味がかぶってるのが多いので嬉しくなってしまいます。

しゃむ
しゃむ
2007年9月1日13:32

こんにちは〜あすなろさん。
豊島さんの中でも、ぽろぽろドールは確かに濃いですよね!
今までにない感じで、私も読みました。

辻村さんの『冷たい校舎の時は止まる』読まれたんですね。
(さっきあすなろさんのブログの感想読ませてもらいました)
あの話は確かに長くて、ひるみそうになりますが、
読み始めたら特に気にならなくて、面白かったのを覚えてます。
文庫だとどこで上下巻に別れてるのか、気になります。
上中下の分け方も、次読まなきゃと思わせてくれる絶妙な分け方でした。
今考えると、作者と主人公が同名というのは微妙?と思うんですけどね。
その後他の作品に、今のところ主人公の深月は登場してませんし。
他もオススメなんで、また読んでみてください。

あすなろさんは本が出てすぐ読まれていることが多いので、
この人の本出たんだ〜と気づかせてくれることもあって、
いつも参考にさせてもらってます!

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