ISBN:4061825127
新書
辻村 深月
講談社
2007/01/12
¥987





まるでトキワ荘のように、漫画家、映画監督、画家、小説家などの同居人が一緒に暮らす、スロウハイツ。
オーナーである環は売れっ子の脚本家。
チヨダブランドと呼ばれる若者から絶大な支持を受ける小説家である、
作家チヨダ・コーキ。
漫画家、画家、映画監督、それぞれを目指す狩野、スー、正義。
出て行ったエンヤ、コーキの編集者、黒木、途中から来た莉々亜。

それぞれ全員ではないけれど、いろいろな思いをかかえながら、
夢に向かって前進しようとする中、それぞれの思惑が絡んで、
疑惑が広がっていく・・・と書くと、憎憎しい物語のようですが、
全然そんなことばかりではなく。
青春群像と作品紹介されているけれど、その通りだなぁって思った。

本当にこの人の書く話は、終わりが良い。
重たいエピソードを、結構躊躇なく使うとは思うけれど、
それを全部洗い流してくれるくらいに。

時にはもどかしい気持ちにさせられるところもあるんだけど、
それも現実にはありえることであり、どうなっていくのか気になります。

環が1人で頑張っていたことを、出て行ったエンヤまでもが協力して
みんなで助け合ったこと、必死で隠そうとしていたことも、
全部実はみんなうすうす分かっていたことの、さりげなさなんかも、
やっぱり良いなーって思いました。
でも、もう少し幹永舞については、書いて欲しかったかも。
意外にあっけなかった。
上巻の終わりというところで、かなり盛り上がったところだったわりに。

いろんな伏線とも思わなかったものもある伏線が回収されて、
環の報われない気持ち、それは「あえて」のことだったんだなぁと。
その後、2人が(一応3人か)どんな話をしたのか、それは想像するに留めます。

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