単行本
瀬尾 まいこ
角川書店
￥1，365
揺らぎ始めた学校、小学生のときに違和感を持ちながらも
同級生をいじめていた、みちる。
いじめられていた側の優子。
中学生になった2人は再会し、友達になる。
けれどそこで荒れ始めた学校では、正義感の強いみちるはいじめの標的になり、
現実を見つめることから優子は逃げ始めてしまう。
瀬尾さんの新刊。
ここに書かれていることは、かなり深刻な状態ではあると思うし、
去年たくさんニュースになったいじめとかに、どうしても思いが行ってしまう。
私はみちると優子だと、確実にみちるの立場でした。
いろんな意味で。
あんなに強いわけではないし、確固たる意思を持っていたり、
みんなの前でああいう意見を言える人でもなかったけれど。
同級生にどつかれてしまっているところとか、
ずっと隠してきたお父さんに、いじめがばれてしまったところとか、
うーん、、泣きそうになってしまった。
今なら、優子みたいに私も、そんなに頑張らなくても、
辛かったら逃げて良いんだよって言うのに。
それでいいと思うのに。
優子はまた違う行動を起していくわけだけれど、
自分で動くしかないというところがね・・・。
この小説に出てくるような担任やその他の先生みたいなんでしょうか、
今の先生ってやっぱり。
私の頃の先生がどうだったのか、よく分からないし、
大人になった今となれば、先生が小さい頃見ていたようなすごいものじゃなく、
普通の大人だし、万能な人ばかりじゃないのは分かるけれど、
教師という職業を選んだ以上は、こんな先生達は居て欲しくないなと思う。
かといって、エスエスのような人や極端さも困るんだけど。
これ、瀬尾さんは何を思って書いたのかな。
現役の先生としては、自分の立場というものを忘れないと
ちょっと書けないと思うんだけど。
瀬尾先生ならどうするの？って聞いてみたい。
解決ということは、言葉だけじゃなく本当にするのは難しくて、
時間が経過すること、それが結局手っ取り早いことであるのかもしれない。
でも小学生でも中学生でも先があるとは分かっていても、
今いるこの場所、時間がすべてなんだよね。
大人になったら、進学したらという時間が、永遠に近くどれだけ遠いものか。
今になって振り返ってみるとそう思います。
だから、それを知ってる大人が味方になってくれたらとは思う。
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