ISBN:406274998X
文庫
重松 清
講談社
¥730
もう死んでもいいかな、と思ってたところに現れた父子の乗るワゴン。
そこに乗せられて連れて行かれた先は、死んでもいいかなと
思うほどになった壊れた家庭が壊れる前である1年前。
そこには田舎で死に直面している不仲の父親が
なぜか、事情を知り自分と同い年として現れ、朋輩であると言う。
しかし、壊れることが分かっていても変えることの出来ない過去・・・。
このお話には3組の父子が出てきます。
母親も出てくるには出てくるけれど、入り込む隙なし。
父と子のお話で思い浮かべるのが、東野圭吾の「トキオ」だけど、
それとはまた違ったお話であるし、何より変えることの出来ない過去
であることがもどかしく、悲しい。
しかし、本当に変えることが出来ない過去なのかどうか。
少なくとも主人公が3回帰った過去には、未来を知っている自分がいて、
その思いをどうにかしようと言う気持ち、それだけはあるのだから。
受験によって追い詰められてしまう息子であったり、
父親の仕事を理解することが出来ず、反発してしまったり、
息子と仲良くなろうと頑張りすぎる父親を避けてしまったり。
私は父親、と言う立場にはなることが出来ないし、理解できない部分も
沢山あると思うので、まだ子どもの気持ちと言う方が分かるかなとは思う。
小さい頃分からなかった、親の気持ちと言うのは大人になるにつれて、
分かるものも段々出てくるし、
今後親になることがあれば、もっと分かることもあるかもしれない。
そういうときになったときには、今少しは分かる子どもの気持ちを
きちんと覚えていたいなとは思うけれど。
特に忠さんとカズの関係はこういう形ででも、出会えてよかったって思うよ。
自分のためじゃなくて、相手のことを考えてって思っていたって、
伝わらないままじゃ、家族だって分かり合えないのだから。
カズとヒロはこれから分かり合えるかもしれないけれど、忠さんとは
もう無理なのだから。
忠さんの話や気持ちを読んでいると、もっと親を大事にしないとなーと思ってしまった。
本当に家族って1番近くにいるはずなのに、難しい。
すべて解決して、めでたしめでたしではないんだけれど、
未来を知っているから、全部解決してしまえなお話よりもずっと、
いろいろ考えさせてくれる本だったと思います。
文庫
重松 清
講談社
¥730
もう死んでもいいかな、と思ってたところに現れた父子の乗るワゴン。
そこに乗せられて連れて行かれた先は、死んでもいいかなと
思うほどになった壊れた家庭が壊れる前である1年前。
そこには田舎で死に直面している不仲の父親が
なぜか、事情を知り自分と同い年として現れ、朋輩であると言う。
しかし、壊れることが分かっていても変えることの出来ない過去・・・。
このお話には3組の父子が出てきます。
母親も出てくるには出てくるけれど、入り込む隙なし。
父と子のお話で思い浮かべるのが、東野圭吾の「トキオ」だけど、
それとはまた違ったお話であるし、何より変えることの出来ない過去
であることがもどかしく、悲しい。
しかし、本当に変えることが出来ない過去なのかどうか。
少なくとも主人公が3回帰った過去には、未来を知っている自分がいて、
その思いをどうにかしようと言う気持ち、それだけはあるのだから。
受験によって追い詰められてしまう息子であったり、
父親の仕事を理解することが出来ず、反発してしまったり、
息子と仲良くなろうと頑張りすぎる父親を避けてしまったり。
私は父親、と言う立場にはなることが出来ないし、理解できない部分も
沢山あると思うので、まだ子どもの気持ちと言う方が分かるかなとは思う。
小さい頃分からなかった、親の気持ちと言うのは大人になるにつれて、
分かるものも段々出てくるし、
今後親になることがあれば、もっと分かることもあるかもしれない。
そういうときになったときには、今少しは分かる子どもの気持ちを
きちんと覚えていたいなとは思うけれど。
特に忠さんとカズの関係はこういう形ででも、出会えてよかったって思うよ。
自分のためじゃなくて、相手のことを考えてって思っていたって、
伝わらないままじゃ、家族だって分かり合えないのだから。
カズとヒロはこれから分かり合えるかもしれないけれど、忠さんとは
もう無理なのだから。
忠さんの話や気持ちを読んでいると、もっと親を大事にしないとなーと思ってしまった。
本当に家族って1番近くにいるはずなのに、難しい。
すべて解決して、めでたしめでたしではないんだけれど、
未来を知っているから、全部解決してしまえなお話よりもずっと、
いろいろ考えさせてくれる本だったと思います。
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