ISBN:4575235555
単行本
豊島 ミホ
双葉社
2006/07
¥1,470
表紙のように、まぶしいくらいの常緑のような1冊でした。
中学校の卒業式で10年後にまた会おう、と約束したシンとアヤコ。
それぞれの夢を叶えて、またこの場所で。
アヤコにとってシンは、キラキラとした憧れの存在。
シンにとってアヤコは、大事なときに背中を押してくれた人。
そして、10年後はやってくる。
それぞれの10年という時間を過ごしてきた2人は再会するのか、
するとしたら、そこには何が待っているのか。
最初はシンにとってアヤコは全然目にも入っていない存在で、
アヤコとの気持ちの差とか、10年という15歳の2人にとっては
長すぎる約束ではないかと心配になるんだけれど、
2人はちゃんと覚えているですね。
私はそういう約束をしたことはないから、覚えていることや
行くことを現実的に考えていることが、正直ちょっとびっくりだった。
でも、アヤコにとってその約束は何よりも大切で、
夢を現実にした今でも、それを見つめ続けていて。
何となくだらだらと夢から外れてしまったシンにとっても、
心の隅に小さいけれど確かにある約束で。
現実的に考えるならば、付き合っていたわけでもないし、
一緒にいた時間も本当に短い2人の約束というのは、
忘れてしまってもいいものであるのかもしれない。
でも、そうならないものが、豊島さんの文章にはある。
この作品のことをブログを読んでいたら熱を2度も出したとか、
書いてはいけないことを書いているんではと思ったとか、
相当思い入れかなんかあるもの、らしいです。
15の時には絶対ありえない、と思っていた「今」、
それがぐらついてしまいそうになるときでも、
ありふれた関係でしかない日常しかなくっても、
それは間違いではないことを気がつかないとどこにも進めない。
「そばに居る人と居ない人は全然異質の『好き』になるよね」
こんな言葉を心から分かるようになるのは、いつからなんだろう。
1番今回沁みたセリフです。
叶わなかった想いというものは、残る。
とても小さくなるけれど残るから。
それに気がつかなかったり、消えないことを認めないのも、
どこにも進めないんだよね。
約束を前にした2人の変化が、痛いほどわかる。
たとえこういう約束をしていない人であっても、
結末はどうぞ読んでください、とだけ書いておくけれど、
2人がどういう結果を選んだとしても、約束というのは通過点であったし、
多分ここまできたら、ずっと心に残るものなんだろうなと思う。
2人にとってお互いの存在こそが、エバーグリーンなのだろうね。
せつない、なんて簡単すぎると思うけど、せつない。
恋愛小説って付き合ってどうのこうの・・・だけじゃないんだなぁと
つくづくこの本を読んで、思い返してみているところです。
単行本
豊島 ミホ
双葉社
2006/07
¥1,470
表紙のように、まぶしいくらいの常緑のような1冊でした。
中学校の卒業式で10年後にまた会おう、と約束したシンとアヤコ。
それぞれの夢を叶えて、またこの場所で。
アヤコにとってシンは、キラキラとした憧れの存在。
シンにとってアヤコは、大事なときに背中を押してくれた人。
そして、10年後はやってくる。
それぞれの10年という時間を過ごしてきた2人は再会するのか、
するとしたら、そこには何が待っているのか。
最初はシンにとってアヤコは全然目にも入っていない存在で、
アヤコとの気持ちの差とか、10年という15歳の2人にとっては
長すぎる約束ではないかと心配になるんだけれど、
2人はちゃんと覚えているですね。
私はそういう約束をしたことはないから、覚えていることや
行くことを現実的に考えていることが、正直ちょっとびっくりだった。
でも、アヤコにとってその約束は何よりも大切で、
夢を現実にした今でも、それを見つめ続けていて。
何となくだらだらと夢から外れてしまったシンにとっても、
心の隅に小さいけれど確かにある約束で。
現実的に考えるならば、付き合っていたわけでもないし、
一緒にいた時間も本当に短い2人の約束というのは、
忘れてしまってもいいものであるのかもしれない。
でも、そうならないものが、豊島さんの文章にはある。
この作品のことをブログを読んでいたら熱を2度も出したとか、
書いてはいけないことを書いているんではと思ったとか、
相当思い入れかなんかあるもの、らしいです。
15の時には絶対ありえない、と思っていた「今」、
それがぐらついてしまいそうになるときでも、
ありふれた関係でしかない日常しかなくっても、
それは間違いではないことを気がつかないとどこにも進めない。
「そばに居る人と居ない人は全然異質の『好き』になるよね」
こんな言葉を心から分かるようになるのは、いつからなんだろう。
1番今回沁みたセリフです。
叶わなかった想いというものは、残る。
とても小さくなるけれど残るから。
それに気がつかなかったり、消えないことを認めないのも、
どこにも進めないんだよね。
約束を前にした2人の変化が、痛いほどわかる。
たとえこういう約束をしていない人であっても、
結末はどうぞ読んでください、とだけ書いておくけれど、
2人がどういう結果を選んだとしても、約束というのは通過点であったし、
多分ここまできたら、ずっと心に残るものなんだろうなと思う。
2人にとってお互いの存在こそが、エバーグリーンなのだろうね。
せつない、なんて簡単すぎると思うけど、せつない。
恋愛小説って付き合ってどうのこうの・・・だけじゃないんだなぁと
つくづくこの本を読んで、思い返してみているところです。
コメント
一緒だったら一緒にこよう、別れてたらここで会おう、みたいな。実際はメールという便利なものがあったのでやりとりはたまにあって、「8年前の約束覚えてる?海外に住むことになってるとはおもわなんだ。いけへんわ。ゴメン。」とメールしました。(苦笑)
○年後に会う約束してんねん!というのを昔聞いたことを思い出しました。
その約束がどうなったかは分からないけれど、会ってて欲しくなりました。
今の時代はメールがあるから、会わなくなっても連絡って途切れにくいけど、
あるんですね〜こういう約束。
そしてちゃんと覚えてるものなんですね〜。
ひーSLCさんも海外じゃなかったら、実現したかもしれなですよね。