凸凹デイズ

2006年8月17日 小説
ISBN:4163244301
単行本
山本 幸久
文藝春秋
2005/10/25
¥1,680





なかなかの良作な1冊でした。
デザイン業界、と言ってもそんなに華やかなでもなんでもない
マンガやチラシのレイアウトなどを細々とこなす社員3人の凹組。
そんな時最近社員になったばかりの凪海がデザインしたキャラクターが
遊園地のマスコットに決まることになった。
ただし、先輩2人と昔凹組を立ち上げたゴミヤの会社との共同で。

仕事の関係でゴミヤの会社に出向することになったり、
ゴミヤと凪海にとって先輩である黒川と大滝との、歴史を感じて
入る隙間のなさなんかの焦りをかんじたり。
現在の話が進むと同時に、凹組の結成当時のことが語られていきます。
今はなんだかとっても落ち着いて見える大滝なんかが、
10年前はこんな感じ・・・というのが、とってもおもしろい。
きっとみんなこんな感じで、いつのまにかいい意味もありで、
変わっていく人の姿の表現がとてもよかった。

きっと凪海だって、ゴミヤの会社にいたときは、いくら凹組からの
出向だから!と思っていても、ゆれるものはあっただろう。
それはきっとしょうがないことだし、それのもっと大きなものは、
黒川と大滝を「裏切った」ゴミヤ。
なぜにそんなことができるんだよーーーと、95%くらいは思うけど、
5%くらいは、そうしないとやっていけないのかな、と思う私もいる。
他の3人にはないものを、やっぱりゴミヤはもっているから。
そこが、この人を憎みきれない部分でもあるのかもしれない。
でも、、私は頑固ものだし、そんなに簡単にゴミヤのような人を
現実には受け入れることは出来ないと思うんだけどね・・・。

ずるい人もいれば、やさしくて優しすぎる人もいる。
そういう人がどこにでもいるように、凹組にもいるようです。

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