ISBN:4087748065
単行本
豊島 ミホ
集英社
2006/04
¥1,365




主人公センリが1年生から6年生まで、7編の短編でつづられています。
陽の子雨の子ほど奇抜?な設定でもなく、まさに檸檬のころの小学生バージョン。
いちいちリアルで、いろいろイロイロ小学生時代のことを思い出してしまいました。
年代設定も、多分著者の小学生の頃なんだろうなぁ、ファミコンとか出てくるし。
余計懐かしいじゃないか・・・。

毎年変わらないと信じていたいとこが変わっていくところとか、
クラスで嫌われている子のこと、少しずつ変わっていく友達関係、
好きな人のこと、、、などなど。

センリはそれらに割りとすんなりとなじんでいるような、
しょうがないや。と受け止めているように見えたけれど、
あの頃はあの頃で、大人になってしまった今とはまったく違う
大変な頃であったことを、思い出した。
私はどちらかと言うと、思っていなかった小さな変化にいちいち動揺し、
くよくよしてしまう子どもだったから、センリが幼馴染とずれが生じているところで、
自分のことのようにハラハラしてしまったけれど、結構平気そうで。
みんなそんなものなのかな。
他の人が夢中になっているものに、自分は興味がもてないこととかも、
そんなに気にすることもなく・・・。
私もセンリのような子どもでいたかったなぁなんて、思ってしまった。

今の方が助けてあげたい友達に力になれたりするだろうし、
自分で決めていいことも沢山増えた。
それと同時に責任も増えた。
今思えば、守られてることの多かった小学生時代、
けれど、今以上に感情が剥き出しであったり、今いる世界がすべてだった当時は、
やっぱりとっても大変だったなと、思い返しています。
あまり思い出したくない内容もあるんだけどね・・・。
そしてこんな小説を書ける豊島さんは、小学校時代の記憶がとっても鮮明なんだとか。
6年間全部の遠足にどこに行ったか言えるとか。
私はほとんど言えないなぁ。
いくつかは覚えているけれど、何年生だったかなんて覚えてないし、
一大イベントの修学旅行でさえも、途切れ途切れの記憶です。
きっとだからこそ、こういう小説が書けるんだろうね。

この頃のがきんちょは、生意気だなぁ〜なんて思う歳になってしまったけれど、
小学生もいろいろ大変なんだよねーと、覚えておこう。

コメント

ひーSLC
2006年6月27日5:43

いつもすばらしいペースで読んでますね。
尊敬です。
ところで、主人公が苦労するような話に最近ひかれるのですが(苦笑)なにかオススメはありませんか?

「橋のない川」がすごく気に入って、「嫌われ松子の一生」も黙々と読みました。
普段あんまり読まないくせに、ハマる本にはびっくりするほど没頭してしまいます。w

しゃむ
しゃむ
2006年6月27日23:25

コメント、ありがとうございます。
いえいえ、必要(返却期限)に迫られて、読んでいるんですよ。
つい、たくさん借りすぎてしまうんですね。

主人公が苦労する話ですか・・・。
本ではないけれど、「おしん」とかみたいに?(^_^;)
そうですね、そんなに好き!っていうわけではないけれど、
東野圭吾の「手紙」とかどうでしょう。
お兄さんが犯罪者になって、犯罪者の身内はその後どうなるのか、
みたいな話で苦労してたと思いますよ。
たしか、映画化も決まってます。

ひーSLC
2006年6月28日2:21

おおっ!ありました。「手紙」米国内に12の図書館が蔵書しているみたいです。海外はえーと、トロント私立図書館と・・・あ、早稲田大学図書館。
うちは海外に貸し出さないんですけど、早稲田ってリクエストすれば本を送ってくれるのでびっくりです。
早速リクエストしてみます。

しゃむ
しゃむ
2006年6月28日21:15

海外でも結構持っていてびっくりですけど、
早稲田も貸してくれるとは。
手紙、また感想を教えてくださいね!

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