弥勒の月

2006年6月23日 小説
ISBN:4334924875
単行本
あさの あつこ
光文社
2006/02/22
¥1,680





ついに時代小説にまで?と、手を広げすぎじゃないかと
心配になりつつ、読んだ1冊。

時代小説といえば、宮部さんの本か、しゃばけシリーズしか知らない私。
ああいうイメージで読むと、少し動揺するかもしれない。
あまり、っていうか、かなり個性のきつい旦那がでてくるし、
かなり世界観はダークであります。
唯一の救いが伊佐治という岡引で、この人がいるからほっとさせられる。
でも、すべての章が○○の月、というタイトルをつけられているのもあり、
ずっと夜の世界を見ているようで。
途中では、また福音の少年みたいによくわからない心の闇なのは、
嫌だなーと思っていたけれど。

しかし、遠野屋の奥さん、稲垣屋、と続いていく事件に
物語として先が気になり、福音の少年よか絶対こちがの方がよかった。
ワケありであろう遠野屋の過去のあたりは、1番引き込まれたし、納得。
悲しいな・・・、普通に生きていたならば、きっと幸せだったろうに。

犯人が誰であるかと言うことよりも、遠野屋と旦那との対決の方が
見物ではあります。
その犯人も最後まで読まなくても、段々わかってくるし。

普通に、普通に遠野屋には商人としての、幸せをあげたかった。
最後の幸せな情景が余計に、そう思わせてくれます。

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