陽の子雨の子

2006年6月15日 小説
ISBN:4062133687
単行本
豊島 ミホ
講談社
2006/03/28
¥1,470





豊島さんの新刊その1。
24歳の雪枝とその雪枝に15のとき、4年前に拾われた聡と、
中学生の夕陽の物語。
拾われたって・・・、と思ったけれど、本当に拾われたようです。

話しの中心にいるのは雪枝、その雪枝に振り回されているように見える2人。
正直、初めて雪枝たちの家に夕陽が行くあたりでは、
どうしようかな、困ったなと思いながら読んでいました。

雪枝と聡の2人の生活に入り、空気を換えてしまうような存在の夕陽。
夕陽が夕陽のような中学生出なかったら、どうなっていたんだろう。
もっとじとじと?どろどろ?した話になってたのかなぁ。
それくらい、頭のよい子だと思う。

雪枝の中の消化し切れなかった、母親や祖母や自分の生い立ちへの思い、
それを込めた短歌たち。
聡の家出の原因とか、夕陽の雪枝に恋ではないけれど惹かれる気持ちとか、
全部1歩進んだ形で終わっていく。
雪枝の短歌が風に飛ばされたように、あの3人の止まっていた時間のようなものが
動き出したような気がしました。

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