天使の梯子

2006年3月27日 小説
ISBN:4087813193
単行本
村山 由佳
集英社
2004/10
¥1,470




天使の卵の続編。
10年後が描かれています。
実際に天使の卵を書いて10年後に、これを書いたんだとか。

天使の卵を読んでいなくても、読めないことはないです。
でも、やっぱり先に天使の卵を読んでおいた方がいいかなー。
この本では天使の卵の主要人物であった、歩太や夏姫ではなくて、
夏姫の元教え子であり恋人である慎一が主人公。
複雑な環境で育ったせいもあり、人を信じることに臆病でありながら、
再開した夏姫に惹かれていきます。
その後、夏姫の後ろに見え隠れする唯一の人物の影。

一番最初に村山さんの作品を知ったのは、天使の卵だったんだけど、
正直結末が辛すぎて、あまり好きじゃない。
良質の小説、ということはできる。
けど、どうしてもこれはあんまりなんじゃ・・・と思ったし、
正直いろいろ凹んでた時期だったし。
こういう話を聴きたいなかったなぁなんて思っていました。
今でもそういう感想は変わらないんだけど、天使の梯子を読んで、
10年かかったからだからこそ、納得のいくものが見えてきた。
そう、私は天使の梯子の方が好きです。

残されてしまった人たちの痛みというのは、辛すぎるものがあるけれど、
その分周りの人にやさしくなれてる。
起きなければよかったとずっと思うことではあるけど、
少しずつ変わっていけたら、いくこともできるんだなと前向きな終わりでよかった。

正直冷静な目で見てみれば、今後の方がある意味大変ではありそうだけど、
きっと1つずつ乗り越えていけそうな、そんな予感を残してくれました。

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