さくら

2005年9月12日 小説
ISBN:4093861471
単行本
西 加奈子
小学館
2005/02
¥1,470




どこにでも居そうな、家族の物語。
なんでも出来て、スーパースターな長男、一(はじめ)が事故に遭い
そしていなくなった。
それにより、家族の中で生じた気持ちのずれ。
そんな場所から出て行きたくて、遠くの町の大学へ進んだ薫が帰省し、
小さい頃から家族を振り返る物語。

上にあるように何でもできてハジメレジェンンドを起こす兄に、
ちょっと変わり者だけど、とてもきれいでかわいい妹ミキ。
いつまでたっても仲のよい両親。
そして、10歳の頃にやってきた犬のサクラ。

絵に書いたような幸せそうな家族で。
冒頭にある家族間の微妙な空気は、どこでそうなってしまったのか、
読み進めて行くうちに、事故が起きてしまいます。

私は薫と同じように、「真ん中」なのでやっぱり1番薫の気持ちが分かるかな。
そっと後ろで様子を伺ってるような感じ。
ミキも女の子だから、わからんでもないけど。

一が居なくなってから分かるミキの秘めたる想い。
そこで薫のとった行動は、だめだけどだめじゃない。
何もしなかったらミキはもっと苦しい思いをしたんだろうね。

お母さんの名言もたくさんあるし、お父さんは最後とっても頼もしいし、
そしてなにより、サクラ。
しゃべるわけないけど、時々出てくるサクラのセリフはとてもかわいい。

起きてしまったことは悲しいことだけど、
そこから立ち直っていく家族は、静かに心にしみる。
欲を言えば、やっぱり一にも居て欲しかったけど。

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