ISBN:4404032587
単行本
宮部 みゆき
新人物往来社
2005/06/21
¥1,890
やっと読み終わりました・・・。
たくさんの登場人物と、場面ごとに変わる一人称とに少し戸惑った
上巻でしたけど、下巻はただただもう・・・。
不幸な生まれの「ほう」は、阿呆のほうと呼ばれ、
生まれた江戸から金毘羅様近くの丸海藩へと渡ってきた。
そこに江戸から幕府の罪人・加賀殿が流されてくることになる。
罪人とはいえ、幕府からの預かり人である加賀殿は多くの人の噂の元となり、
加賀殿の所業をなぞるかのように毒死や怪異が頻発する。
不安が不安を呼び、事情を知っているものも口をつぐみ、
加賀殿の存在を利用しようとする一派の暗躍により、丸海藩に危機が訪れる。
そんな中、奉公先の匙家を出された「ほう」は、加賀殿が幽閉される屋敷で働くことになる。
本当に悪い人というのは、この中に存在するのだろうか?
例えば、梶原の美弥とか江戸の将軍さまとかのやってることは、
かなり悪ではあると思うのだけれども、
啓一郎や宇佐や渡部や匙の先生たちや嘉介親分の子どもたちのやったことは、
悩んだ末に選んでしまった結果であったり、
そういう大人の事情を知らない子どもがやってしまったことです。
少しずつ誰かを思いやる気持ちというのを欠いてしまった人たちが、
それの積み重ねによって、引き起こしてしまった悲しい物語なんでしょう。
本当に死んで欲しくないと思ってる人がどんどんいなくなる。
(中にはそうじゃない人もいるけど、それまた衝撃的)
その中で、確かに賢いとは言えない「ほう」が、
感じたままに自分の気持ちで行動したり話をするのは、
誰にとっても救いだったのかもしれない。
あの恐れられた加賀殿にとっても。
全部宮部さんの人物描写の巧さゆえに表現できたこと、と言えるけど、
他に方法はなかったのかなーと、思わずにはいられません。
とにかく悲しくて切ない。
ほうには、いろんな人の気持ちを大事にして強く生きていってほしいと思います。
単行本
宮部 みゆき
新人物往来社
2005/06/21
¥1,890
やっと読み終わりました・・・。
たくさんの登場人物と、場面ごとに変わる一人称とに少し戸惑った
上巻でしたけど、下巻はただただもう・・・。
不幸な生まれの「ほう」は、阿呆のほうと呼ばれ、
生まれた江戸から金毘羅様近くの丸海藩へと渡ってきた。
そこに江戸から幕府の罪人・加賀殿が流されてくることになる。
罪人とはいえ、幕府からの預かり人である加賀殿は多くの人の噂の元となり、
加賀殿の所業をなぞるかのように毒死や怪異が頻発する。
不安が不安を呼び、事情を知っているものも口をつぐみ、
加賀殿の存在を利用しようとする一派の暗躍により、丸海藩に危機が訪れる。
そんな中、奉公先の匙家を出された「ほう」は、加賀殿が幽閉される屋敷で働くことになる。
本当に悪い人というのは、この中に存在するのだろうか?
例えば、梶原の美弥とか江戸の将軍さまとかのやってることは、
かなり悪ではあると思うのだけれども、
啓一郎や宇佐や渡部や匙の先生たちや嘉介親分の子どもたちのやったことは、
悩んだ末に選んでしまった結果であったり、
そういう大人の事情を知らない子どもがやってしまったことです。
少しずつ誰かを思いやる気持ちというのを欠いてしまった人たちが、
それの積み重ねによって、引き起こしてしまった悲しい物語なんでしょう。
本当に死んで欲しくないと思ってる人がどんどんいなくなる。
(中にはそうじゃない人もいるけど、それまた衝撃的)
その中で、確かに賢いとは言えない「ほう」が、
感じたままに自分の気持ちで行動したり話をするのは、
誰にとっても救いだったのかもしれない。
あの恐れられた加賀殿にとっても。
全部宮部さんの人物描写の巧さゆえに表現できたこと、と言えるけど、
他に方法はなかったのかなーと、思わずにはいられません。
とにかく悲しくて切ない。
ほうには、いろんな人の気持ちを大事にして強く生きていってほしいと思います。
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