ISBN:4104491012
単行本
吉田 篤弘
新潮社
2001/09
¥1,575




「世界の果てにある食堂の物語」を書きあぐねていた作家である「私」が
ふとしたきっかけで知ったのは、幻のイギリス人作家の存在と、
彼が残したメモに列挙された「6桁、あるいは7桁の数字」の謎。
その謎に私はひらめいた。
「メモの数字は、ビートルズの〈ホワイトアルバム〉
初回プレス版にうたれた通し番号だったのではないか?」
その思いつきから、綴られ始めた物語は・・・。


クラフト・エヴィング商會のメンバーである吉田篤弘氏の本。
あらすじにあるように、小説を書こうとしていた「私」について
書かれている物語でもあるけれど、いつしか「私」の書いている
物語に入り込んでいます。

クラフト・エヴィング商會での本は、独特の世界に惹かれて何冊か読んだけれど、
単独で書かれたこの本でも、その世界観は変わらず。
短い話の繰り返しのようだけれど、気がつくとその世界へ入り込んでいる。

レインコートの博物館なんて、どうやったら思いつくのかなぁ。
「殺し屋」の話では、くすっと笑ってしまう。
遠い遠いラジオの音を求めて旅をすることや、ろくろくの発想や、
なんでもないことのようで、そうではない話。

ちなみに、本当の「フィンガーボウルの話」の続きは、私はちゃんと知っていますよ。
知らない人は、やっぱり気になってしまうのだろうね。

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