百万の手

2005年7月23日 小説
ISBN:4488017029
単行本
畠中 恵
東京創元社
2004/04/22
¥1,785




主人公夏貴は父親を亡くし、母親と二人暮らし。
心の支えである親友が不審火で亡くなってしまう。
悲しむ夏貴の耳に聞こえてきたのは、忘れ形見の携帯電話から
聞こえてきた親友の声だった・・・。
あの火事はおかしい、調べて欲しいと。
親友のアドバイスを聞きながら、調べ始めた夏貴が見つけた真相とは・・・。

想像していた以上に重いというか、単純な話ではなかったです。
犯人がどうとかということより、どうして事件が起きたかがです。
こういうのは、いろいろ考えてしまいますね。
科学の進歩だけがいいということではない、と。
同類の小説なら東野圭吾も違う状況で書いてたけど、やっぱり怖いと思ったし。

でも死んだ親友が携帯電話に現れるというのは、必要だったのかなと思う。
特に無くても話は進められたと思うし、どうでしょうか。
携帯電話に現れた親友と2人3脚で事件を解決・・・というよりは、
息子にべったりの母親に突然現れた、どうみても釣り合わない婚約者である
東の方がずっと事件解決のパートナーとして、すんなりくる。
母親の異常さとかも最初の頃おかしいと思ったし、
その婚約者である東というのも、登場に違和感があったのです。
けど事件の真相に近づくにつれて、母親の態度の意味や東と母親が出会った訳、
そして反発しながらも協力し合う夏貴と東とのコンビというのが、
話の流れからいって説得力があったんだけれどなぁ。

1度携帯電話が壊れてしまったとき、何かで復活が?!と思って期待したけれど、
あれだけ?しかも復活というのか?終わってしまったので。

そこら辺だけ、気になりました。

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